ミツオーよ…

9月23日日本テレビ盃

2番人気となったアジュディミツオー
彼に対する期待の高さが、ヒートアップしていた。

スタート後、掛かっているかのように見えたミツオー。騎手との折り合いが悪いようにも見えた。

向こう正面では折り合いもつき、3コーナーあたりで、「もしかしたらいけるのではないか」と
ひやりとした。

直線で、思いも消えたが、決して悪い走りではなかった。

もはやここが、ゴールではないのだ。

レース後の、観客のため息。
本気でがっかりした人もいただろう。
ただ、もしかしたら、口には出さずに、あそこにいた人々が
同じ夢をみていたのかもしれない。
「ここ船橋から、とんでもない馬が、いよいよ出てくるのじゃないか」と…
圧倒的な強さ、圧倒的な存在感で、ダート界を走り抜けていく馬が
今、ここで走るのかもしれない、と。


そして翌日に分かったこと。

ミツオーの次が、統一G1の名古屋・JBCではなく
国際G機■複奪澄璽箸覆里澄

そう、「国際」。

地方馬初という看板を戴き、ドバイ帰りだと常に言われるミツオーは、
もはや船橋だけの馬ではなく、
南関だけの馬ではない。

現し方が異なれど

言わんとしていることは、恐らくコスモバルクとそう違わないのだろう。

たまたま、「運命的」に、他の地方馬より強く、他の地方馬より恵まれた立場に置かされた馬は

他の馬には味わえない戦いに、これから常に挑みつづけなければならないのだろう…

ミツオーは、今年の3歳馬・シーチャリオットカネヒキリ、そしてディープインパクトのように
無敗の(あるいはそれに類する)帝王ではない。

新馬戦で勝ったものの、骨折を味わい、負けたことだってある。

東京大賞典を勝ったことも、「そこにアドマイヤドンがいないからだ」と
陰口を叩かれさえした。

3歳暮れで、統一G1を制覇し、中央ダートG気鯣瑤啀曚┐討いなり世界の頂点・ドバイレースへ
挑む道を進むことになったミツオー。

彼が本当に大変なのは、これからだ。

私は、はっきりいって、競馬のことはほとんど何も知らない。
大賞典のミツオーの、第1コーナーのあの瞬間を見ていなければ、
きっと今も競馬とは、無縁で過ごしていたはずだ。

自分が、運命を変えられたと思えてならない馬が、これからどんなに苛酷な道を歩んでいくのか
私は、腹を据えて、見つづけていかなければならない。

そうしないと、自分で自分が許せないのだ。

だから…

JBCに行ってほしかった、とは言うまい。

JCDで、アドマイヤドンの闘争心に、再び火をつけてきてほしい、と思う。

地方ダートのレースを見たことない人に限って言う、「カネヒキリはダントツだ」という台詞に
冷や汗をかかせてほしい、と願うのを許してほしい。

ミツオー、負けるな!